読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

美しの沼

客席より愛を込めて。

あまつきつねの鬼灯

舞台感想
GEKIIKE本公演第8回「あまつきつねの鬼灯」

GEKIIKE公演、初めての生観劇。校條くんのオリジナル物のお芝居、 殺陣もたくさんあると聞いていたので楽しみにしていました。*1

個人的に仕事の忙しい時期ということもあり、3公演の観劇*2 でしたがすごく満足度は高いです。DVDも当然予約。観劇目的は校條くんをはじめとしたツキキャストと言ってしまえばその通りだけど、なかなかに面白い小劇場演劇を見つけられたことが嬉しいなって今は思えてるのが何よりの収穫。この感動は初めて好きな劇団や演出家の作品を見たときの喜びに近いなぁ。「one on one」で内藤君に出会って、今は内藤君もoneも大好きなように、校條くんのおかげで「GEKIIKE」も好きになりました。これからも応援したい。

 

舞台全般の感想

舞台は日本の江戸時代末期のとある村。山や森にはお犬さまの神社、狐さまの神社があって、人々は日々、神様にお願い事をしてる。ある時、どんな願い事でも叶えてくれる神社があるという噂と共に、村で不自然な人死にが出始める……。

というのが簡単なあらすじ。

主役の鷲尾くんを筆頭に主要登場人物は「狐、鹿、猿、蛇、犬」の神様たち。ただ神様の目線というより、物語の冒頭は神社と神社にお参りする村の人たちの群像劇のようにスタートする。日々、お犬様のところにお供え物をする女の子とその家族だったり、その村を治める城のわがまま姫様だったり。小劇場演劇としてはかなり登場人物が多くてびっくり。

アンサンブルキャストが稽古中盤に追加されたりして多いなぁとは感じていたけれど、オープニングとカーテンコールで全員が舞台上に並んだ時はかなりの迫力。というか、立ち位置を少しでも間違えると役者が見えないくらい板が埋まる。

劇場はシアターグリーンのBox in Box。一番大きいBIG TREE THEATERの方ではちょくちょく観劇しているんだけど、Box in Boxは久しぶり(多分初めてではないって程度)。さほど広いとは言えない板の上に、かなり大きい階段状のセット。上手には鳥居。常に板の半分くらいは段差がある状態なので、殺陣はもちろん、暗転からの一斉にキャストが揃うところなどはかなり危ないのでは。見事にこなしてる役者さんたち、それぞれの鍛錬と信頼のなせる技だなぁと感心しました。

奈落やセリ、盆を使ったセット転換のない舞台において、据え置きのセットと芝居で作り出す空気でどう場面を作るかというのはすごく大事だと認識してるんだけど、あまつきつねの舞台においてはこのセットが本当にいい味を出していたように思う。

唯一、減点というか、気になったのは上手側がセットのせいで見切れてしまうことだなぁと思っていたんだけど、先行で上手端になってる人に対して、制作スタッフが開演前に当日券確保分の席(見切れない席)と交換するか案内してるのを目撃。。これほぼ毎公演やってるんだろうなぁすごいなぁと手づくりの小劇場演劇ならではの出来事だった。

 

物語全般の印象としては、すごく大きなファンタジーを小さい箱で目撃してしまったというのが一つ。もう一つは、もう少し主役であるはずの狐にピントを合わせても良かったのではないかということ。

登場人物全員主役の群像劇のような作りになっていたけれど、これはツキステ。(10月末まで夢見草が上演されていた)でメインキャストの合流が遅れたことや、事務所舞台ということで、一人の主役はいるもののGEKIIKEメンバーは全員に見せ場を作りたいという制作サイドの配慮も影響しているかもしれない。

今回出演のGEKIIKEメンバーで言えば、姫役の神谷さんは姫というインパクトはあるもののあくまでも脇の役だが、それ以外のメンバーは皆、神様側でそれぞれに結構な見せ場があったと思う。そして神様以外のいわゆる人間側にもきちんとドラマが作られているので、初見の時はどんどん変わる視点と展開に少し混乱したし、登場人物たちを全員把握してストーリーを追っていくだけで脳の処理が割といっぱいになった。ただ、二回目の観劇時にはオープニングの芝居の中で描かれていることがすべてその後の展開につながっていることがわかるし、パンフも読んで役名も頭に入れて観ることで、よりそれぞれの登場人物への認識が深まり、役者たちがかなり細かい芝居をしてるところも気付けてより楽しめた。

この舞台、メインの神獣さまたちは芝居よりも、アクションや動き、個性的なキャラが強めで、話の筋というか物語そのものは人間組の芝居によって動いているので、人間側の役者さんの芝居や心情の変化に感心を持つことが、この舞台をより楽しむ鍵になっている。

おそらく意図的に作られた脚本演出だと思うけど、要するにリピートしがいのある作りになっているのかなと。あまり一回だけの観劇を前提とした作りにはなってない気がした(90分強の芝居に対して情報量が多すぎるくらい)。もし一度だけで大満足な作りにするなら、前述の通り、主役である狐さま目線を増やしていく方が物語としてわかりやすいのではないかと。これは、そうしないと変ということではなく、今回のこの演目も凄く楽しめたけれど、これっきりにするのが勿体無いくらいの題材だと思ったので、何年か後、もう少し大きな箱で、休憩を挟んで二幕ものとして、再構築する際には主役の狐を中心に神獣様たちの「芝居」で見せるシーンがあっても良いのではと言う私の願望。

  

キャストのこと

印象に残っているのは敵側とも言える、鴉目禰の樋口さんとその部下を演じた山口侑佑さんに、物語のキーパーソンだった湛山役の六本木康弘さん。六本木さんは殺陣指導もされているJAEの方ですが、まぁ動きがいいのは当然として存在や芝居も渋い。そして山口さんは動きが綺麗なのはもちろん、衣装とメイクも合わさって、凄く独特に色っぽくて印象に残った。 

Wキャストの蛇頭千は二人とも観たが、予想通り(プロフィール調べていた)、池田くんは器用。現時点のスペックは彼の方が色々上だろうなというのは感じた。蛇頭千はヤンデレとも言えるキャラだったのだけど、池田くんは動きも芝居も声のトーンも高い分、綺麗な感じ。上仁くんは役に合わせるならもう少し衣装のさばき方とかまで神経が行き届くといいと思うけど、でも彼の芝居も好き。たつきち(上仁くん)はツキでも感じるんだけど、どこか華があるんだよなぁと*3。なんとも言えない存在感があるし、二回観た中でも芝居も殺陣も上手くなっていて、やっぱり彼には頑張って欲しいなぁと思わせる力があるなと。

神獣のGEKIIKE組、お犬さまとお猿さんの原野さん、真佐夫さんはキャラクターがぴったりなのがわかるし、アクションが素晴らしい。特にお犬さまの原野くんと六本木さんのシーンは物語の鍵になる部分ですごく良かった。一方でどうしても湛山と犬牙がきっかけで話が動くので、二人が主役ではって思う部分もあるのよなぁ。それがどうしても主役がボケた印象になる原因でもある。

主役の狐さま、狐子路の鷲尾くんがきちんと丁寧に芝居をしてくれて、それが狐子路の儚さになっているのかは良かった。ただ先述の通り、狐子路の過去についての回想シーンが割とサラッと過ぎていくので主役としてやや弱いように思う。これは鷲尾くんの存在感のせいなのか、脚本のせいなのか。多分両方。

今回の狐子路は主役だけど、あまり狐子路の視点になる瞬間がなかったので、常に舞台の世界で儚い、誰よりもファンタジックな存在に見えた。まだ数作しか観ていませんが鷲尾君はすごく器用だし恵まれた体格を持ってるけど、何をしなくてもいるだけで目立つようなものすっごく存在感があるってタイプではない印象。だから彼を話の真ん中に据えるのであればはっきりとそうわかるセリフだったりキャラだったりをぶつけた方がいいのではないかなぁと。ツキステのライブの陽くんを演じてる時は当然のように太陽のようにギラギラしてるけど、狐子路の鷲尾くんは美しくて儚くて綺麗だけど消えそうな雰囲気が常にあって。それは物語の展開的に正しいけど、主役なのだからもう少し、脚本演出がその存在を華やかにしてあげてもいいのにと思えた。

 

一方、お目当ての鹿さん。鹿奈汰役の校條くんは、小学五年生だった。

始さんからの鹿奈汰くんのギャップがすごい。萌え苦しい。

どこまで演技なのってくらいピュアでまっすぐな鹿奈汰は殺陣も校條くんの身体能力に合わせて見せ場を作ってもらっていたので、演技とアクションがそのままキャタクターを体現するタイプで、じっくりとした芝居らしい芝居のパートは実は少ない。けれども、神獣たちの中でもさらにピュアな存在として描かれているので、時々ハッとさせられるようなことを言う。狐子路の最期に「なんで?」と疑問をぶつけたりするのも、鹿奈汰にしかできないよなぁと。

眩しくて可愛い愛すべき鹿さんでした。見た目、アクションは大満足だし、こういう役を今後もそう度々やることはないんじゃないかと思うので、今回については彼に対しては素直に萌えてました。

 

 

アフターイベントのこと

GEKIIKEの舞台は毎公演アフターイベント、それから公演終了後トレブロにキャストが立ちます。

私がちょくちょく行く劇団/プロデュースで言えば、柿*4は基本毎公演アフタートークがあるけどあそこは演出家の頭の中を覗く時間みたいなものなのでちょっと毛色が違うし、one on oneの場合はアフターライブが大好きなので、アフターライブ目当てでチケット追加をすることはあります。しかし、ここまで毎公演全部イベントがあるようなところは本当に久しぶりというか通った記憶はほぼなくて、聞いてはいたけどびっくり。

結局、私が参加したのはサイン会*5が2回と紅白歌合戦*6でした。

アフターイベント発表されてすぐに校條くんのサインの日は追加したんですけど、普通にあんなに喋れるとは思っていなかったので、サインを記念にもらうことしか考えてなくって、接近戦苦手族はろくなことが言えませんでした。鹿可愛いしか脳みそに浮かばないんだよ、バカ。

もう一度のサインの日は演出の樋口さんもいらっしゃる回だったので、割と落ち着いて感想が言えて、これは嬉しい時間でした。全公演の演出を担当されている樋口さん、前回公演の月下では振付を担当され今回も制作に名前の入っている神谷さんは、校條くんや鷲尾くんと同じ事務所の役者の先輩でもあるわけですが、すごく丁寧な対応をしてくださって、2.5舞台から鷲尾校條目当てが大量にいる現在の状態もおそらく冷静に受け止めていらっしゃるなぁという印象でした。どうでもいいですが神谷さんの持つ雰囲気が好きです。

というか、GEKIIKEにツキウタ。グッズ大量発生しすぎでな。。曲のバッグやカバンにうさぎ1匹くらいはわかるやつはヲタクってことだし、普段からそのカバンをつけたり、アクセサリー感覚でうさマスコットついててもいいと思うので、私はとやかく言うつもりはないです。ただ小さい劇場にジャラジャラ缶バッジのついた痛バは邪魔になると思うで。。

イベントは紅白歌合戦がすごく面白かったので、これからも接近よりは歌合戦とかキザ台詞の日がいいです。ハイタッチの日とかは避けたい。。

 

 

 

本当に素敵な舞台だったので、公演情報最後にまとめておきます。キャストの皆さん、お疲れ様でした。昨年同様に、映画版*7も作られるそうで、撮影始まっていますが、楽しみにしています。

今年はあまり小劇場に足を運んでいなかったんですけど、手作り感のある舞台もやっぱりいいなぁ。

 

公演情報

GEKIIKE本公演第8回「あまつきつねの鬼灯」

2016年11月17日(木)~28日(月)全18公演

【劇場】シアターグリーン Box in Box

【演出】樋口夢祈 【脚本】木村純子

【出演】鷲尾修斗 校條拳太朗 上仁樹/池田明日香(Wキャスト) 真佐夫 原野正章

山口侑佑 鈴木祐大 坂口慎之介 小澤暢子 久野木貴士 新開理雄

武内恭彦 菅井義久 小川隆将 今村美音 櫻木優羽夏 黒木祐司 工藤八雲

六本木康弘 神谷光 樋口夢祈

*1:ちなみに、これまで観てきたのは「ツキステ。」「アルカナ・ファミリア2」そして映画やイベント、昨年のGEKIIKEはDVDで観ました

*2:ちなみにWキャストは上仁くん2回、池田くん1回で観ました

*3:個人的に黒年中は華がある、白年中は上手いというのは「ツキステ。夢見草」で感じた印象

*4:柿喰う客

*5:キャスト数名がパンフレットにサインをしてくれる

*6:キャスト数名によるカラオケバトル

*7:おそらく来年都内ミニシアターでの上映と思われる